ブラックスワン

ブラックスワンより
「その後、偶然の出来事を人がどうとらえるかについて考えをまとめようと、記憶に頼って戦争の時に起こったことを思い出しているうちに、私たちの頭は説明をつくるとてもよくできた機械だと強く感じた。ほとんどなんでもつじつまを合わせられるし、ありとあらゆる現象に山ほど説明をつけられる。その一方で予測なんかできないという考えはほとんど受け入れられない。戦争の時に起こったことには道理なんてない。
でも頭のいい人たちは、そんなことにも信頼できる説明が付けられると思っている-後になってから、だけれど。さらに、頭が良ければよいほど、つける説明ももっともらしい。説明が付けられるなんて思っていることよりももっと危ういのはそういう信念や説明が論理的で筋が通っていて矛盾がないように見えることだ。」