1933年 Westergaard 地震動の強さを最大加速度ではなく、最大速度であらわすと有効である
1934年 Benioff 地震動の作用力が建物の固有周期に依存することを表す地震応答スペクトルを発表。この中で応答スペクトル曲線の囲む領域の面積をもって地震動の破壊力とした。
1952年 housner SI 速度応答スペクトルの0.1~2.5sまでの平均値
1961年 金井 速度スペクトル
現在最も汎用的に用いられているものは、PGA、PGVの指標であり、多くの地震危険度マップ(河角マップ等)はPGAの再現期待値で表現されている。しかしその後の研究からPGAは必ずしも被害との相関が大きくないということが現在では認識されている。理論上、地動加速度が有効な破壊力指標となるのは、現実には存在しない完全剛脆性の建物のみである。
このようなことから、それまでPGAで表現されていた地震危険度マップは被害との相関の高い有効加速度への返還を迫られた。現行の欧米の地震危険度マップは加速度応答スペクトル値で表現されている。
構造物に対する地震破壊力は、構造物の周期に依存する。これを表したのがスペクトルである。弾性応答スペクトルは構造物が弾性域を超えて降伏した状態、もしくは劣化した状態、すなわち構造物の崩壊にかかわるような問題にはその有効性が失われる。
1971年 長橋純男、小林啓美 地震動強さを評価する簡便な指標としての地震動最大振幅
弾塑性系の履歴型応答スペクトル 塑性応答に関して比例関係にあるのは短周期(0.3s)以下ではPGA、比較的長周期域(0.5~2.0s)ではPGV、さらに長周期ではPGDという結果が得られており、PGA、PGVが使用されている。
しかし、この弾塑性系の応答スペクトルは構造物の劣化の際には破壊過程を扱えないという欠点がある。これを解決したのがエネルギー入力スペクトルであり、
Berg Thomaides(1960) エネルギー規範式の提案
加藤・秋山(1976) 多質点系に応用
Murphy・Bycroft(1956) 非線形性の形態には本質的に依存しない
桑村ら(1992) エネルギースペクトルは加速度フーリエ振幅スペクトルを平滑化したものに対応する
ことがわかった。以上からエネルギースペクトルは構造物には依存しない地震動固有のものとみなせるため、地震動強さの指標として有効であると考えられている。
1995年 兵庫県南部地震 エネルギー入力率を考慮する必要性(累積エネルギー入力だけではだめ)