限界状態設計法のすすめ5

第8章 鋼構造と限界状態設計法
鋼構造の信頼性
鋼素材の統計的性質
①降伏強さは板厚と関係し、薄くなると高くなる。
②降伏強さは対数正規分布、引張り強さは正規分布
③降伏強さは比較的ばらつきが大きく、引張り強さは小さい。両者の相関は小さい
④降伏比と降伏強さには強い相関、引張強さとは相関なし

素材の機械的性質
降伏強さ・引張強さ・弾性係数・ひずみ硬化勾配・伸び率・降伏比
降伏強さと引張強さ 骨組みや部材のばらつき
降伏強さ 崩壊機構の基本となる塑性ヒンジ形成位置を変動させ、骨組みの終局耐力を変動させる
降伏比 塑性変形能力

骨組みの信頼性(システム信頼性)

鋼構造限界状態設計法

第9章 RC構造と限界状態設計法
RC造建物の性能のバラつき
①コンクリート強度のばらつき
調査方法は試験体の実験、コアコンクリートを抜く、非破壊検査
②鉄筋強度のばらつき
③耐力評価式のばらつき
RC構造物の代表的な破壊形式は曲げ破壊、せん断破壊、付着破壊
破壊形式を予測し、脆性的な破壊を起こさないように設計することである。そして、曲げ耐力がせん断耐力を上回らないようにする。耐力の計算は評価式によって行われるから、このときにもばらつきを考慮する必要がある。

RC構造物における限界状態とは?
ひび割れの問題、必要保有水平耐力の低減係数

限界状態設計法のすすめ4

第6章 限界状態設計法での荷重の扱い
最大値とは何か? 過去最大値と考えるより、年最大値群を考えて将来を予測するほうが合理的。
固定荷重 ばらつき小、確定値と考えても差し支えない
積載荷重 グンベル分布、上限値を設定する必要がある(詰め込める限界が存在する)。
雪荷重 地域によって異なる
風荷重 ①最大風速は、台風によるものか季節風によるものか? ②地表租度のちがいによる地上風の低減度合い ③その他(空気密度、風力係数、ガスト影響係数)
地震荷重 ばらつきが大きい、大きな値での超過確率が大きくなりすぎて不自然であることから、経験的に上限値を設定したモデルとなる

荷重強さの評価と荷重効果の評価
通常は正確にわからないパラメータに対し、そのつど安全側の設計をしていたのでは、結果的にきわめて安全な設計になってしまう。このような設計から、どの程度安全を見込むかの判断をひとつの指標(信頼性指標など)で決めることに限界状態設計法の特徴がある。ばらつきや不確かさを統計的結果に基づ客観的に定量化してあつかい、工学的判断の余地を最小限にするところにある。

荷重の組み合わせ
全てが同時に最大になることを考えるのは非経済的

第7章 目標安全性をどのように決めるか。
①事故統計に基づく方法
母数が定めにくい、ヒューマンエラーによる事故が多い
②現行設計基準類へのキャリブレーションに基づく方法
現行規準が最適解を与える保証はない、安全側過ぎる、目標安全性が部材を対象とするので構造物全体の安全性は?である
③他の災害危険性との比較による方法
④人的損失に対する危険性回避に要する投資効果による方法
⑤期待総費用最小化に基づく方法

限界状態設計法のすすめ3

第三章 確率と統計の基礎事項

第四章 限界状態設計法とは
構造物の供用期間において安全性に対する限界状態(終局限界)と使用性に対する限界状態(使用限界)の二つの限界状態を設定し、各限界状態に対応する構造物の破壊形式を抽出して、その破壊確率を求める。それがある許容する値以内におさまるように設計する手法。

構造設計にかかわる不確定性
①材料寸法や材料強度に関するばらつき
②工学的に予測できない事象のモデル化に関する確率変数のもつばらつき
③確率変数の統計的性質を考える上で、データの欠乏から発生するばらつき
④複雑な現象をモデル化するときの不確定性
⑤人為的な誤りによる不確定性

信頼性指標
レベル3 確率分布を必要とする
レベル2 2次モーメント法
レベル1 荷重、耐力係数法

第5章 複数の限界状態をどうまとめるか

構造設計でこ考慮すべき荷重効果とは?
過大な 応力、ひずみ、ひび割れ、変形、塑性率、移動、変位、速度、加速度

同一の荷重効果であっても、異なる荷重や構造的問題に対していくつもの異なる限界状態が存在する。最も厳しいものについて考えればよい。しかし、荷重効果が同じでも(例えばひずみ制限)、実現のための対処の方法は対象によって異なるので、扱っている内容に十分な理解をもたなくてはならない。

限界耐力設計法のすすめ2

第2章 現行設計とここが違う

設計荷重は設計者のみの判断や施主の希望では変えられない

構造計算の体系
①設計荷重・外力の決定と構造物のモデル化
②設計荷重によって構造物に生じる応力や変形などの荷重効果の算定
③構造物の強度・変形能力などの外乱に抵抗できる能力の算定
④応力や変形などの目標値・評価基準などの設定
⑤④の目標に基づく、②の作用効果と③の能力の比較

構造計算のいろいろ
①決定論的、確率論的
②許容応力度設計、限界状態設計
③静的設計法、動的設計法
④弾性設計法、弾塑性設計法

現行方法との違い
①目標を「ある確率で限界状態を超えないこと」としているため、安全性が明確
②建築基準法(保有水平耐力以外)は終局耐力の考え方が表立っていないため、建築物群の終局耐力のばらつきが大きい。それに対して限界状態設計法は終局耐力を目標として、設計するためばらつきを小さく設定できる。
③確率的な検討が、安全率に凝縮される

現行法とのキャリブレーション
①平均値を同じにするか→限界状態設計法では品質の低い建築物が減る
②ある最低基準を下回る建築物の数を同じにするか→平均値が下がり、経済的。災害の大規模化を考えるとばらつきが大きいほうがいいか?

限界状態設計法のすすめ

1章 今、なぜ限界状態設計法なのか?
建築基準法第二章第20条
「建築物は、自重、積載荷重、積雪、風圧、土圧及び水圧ならびに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造でなければならない。・・・・・設計図書の作成に当たっては、構造設計によってその構造が安全であることを確かめなければならない。」
構造物に所定の耐力を与えることだけが構造の目的であると主張する人もいる。構造設計に耐力と関係ないことを持ち込み、それによって建築物の使用を制限すべきではないという考え方。

建築物のさまざまな利用目的とこれに付随する事柄を健全に遂行するために、壁、柱、梁、などの主要構造部部材あるいは壁面や屋根面の仕上げ材とその支持構造部分が備えるべき性能を満足させることである。

許容応力度設計 規定された外力によって与えられる変位が弾性範囲内にとどまることを確認する設計
豊かな建物と作るうえでさびしい、建物全体をシステムとしてみたときに、このシステムの耐力についてはまったく言及されていない。

建物の真の強さ 破壊機構を設定する必要がある。建物の不静定次数が大きくなるほど決定しにくくなる。仮想仕事の原理、節点振り分け法

品質・信頼性の時代 50年間にこの建物の部材応力度が降伏応力度を突破する危険性はどの程度か? 許容応力度設計は漠然としか答えられない。なぜならまず荷重値の頻度がわからない、使用材料の降伏応力度の値が明確でない、降伏応力度と許容応力度の関係はわからない

許容応力度設計法を補う努力
竹山論文 ①構造物の安全率を不均一、不確実にする点において根本的な欠陥 ②荷重と材料の安全率が錯雑して荷重に対する安全性が観念的に極めて把握しにくい ③安全率の分離と構造計算の対象とする荷重を明確にする ④建物の強さを破壊強さと弾性強さの二つに分けて考える ⑤弾性→通常起こり得る程度の荷重 破壊→想定しうる最大の荷重 ⑥弾性強さ→下限品質材の降伏点 破壊強さ→下限品質材の強度
(弾性、破壊→長期、短期)

終局耐力設計法 
1975 年 鋼構造塑性設計指針 もし構造物の破壊する荷重の大きさ(破壊荷重)がわかるのであれば作用荷重の大きさに安全率を見込んだ終局荷重を設定し、終局荷重の下でちょうどその構造物が破壊するように設計することが可能になり、安全の程度が明確になる。
1981年 新耐震設計法 一次設計・二次設計(終局時耐震性能の確認)
規準いっぱいに建てられた建物では、供用期間内で1度程度の割合で許容応力度を突破するということが言える

信頼性設計法
新耐震に対して、信頼性の割合を確率として定量的に与える。

限界状態設計法
構造物の安全性および使用性・居住性を確保するための限界状態を明確にし、これを適切な信頼性の本で達成するための設計法
従来の設計法を集約し、これに安全率の設定の合理性を与えるために信頼性設計の概念を加えたもの
安全性・使用性の余裕の程度の確保の方法で、安全性の余裕の程度を荷重効果に関する余裕と、耐力に関する余裕に分離し、荷重係数、耐力係数によってそれぞれを確保している。この設定に、信頼性の考え方を導入できる。

限界耐力設計法の特徴
①建物の安全性・使用性を確保するための各種の限界状態を明確にし、これを適切なグレードで設計する。
②適切なグレードを確保するために、荷重と材料に関するばらつきを考慮して信頼性という考え方を導入する。

【まとめ 地震動 書きかけ】半経験的地震動評価1

工学的目的としては短周期領域の地震動が欲しいが、このような成分は波動伝播経路の微細な構造に強く影響されることが知られており、理論的な解を求めることが不可能である。過去に発生した中小地震の観測記録を用いて大地震の地震動を評価する手法がHartzellによって提案された。

半経験的地震動評価法の基礎
・大地震と小地震の断層パラメータ間の相似則の仮定
・大地震と小地震の地震モーメント比に基づく重ね合わせ数の決定

断層モデルによる遠方の地震動変位
破壊伝搬速度一定でバイディレクショナルに変位食い違いが伝搬していくことを考える。このとき断層面∑から放出されたS波による遠方場の変位のフーリエ変換は前章の遠方場の理論地震動で求めたものから算出できる。立ち上がり時間をnd個の傾斜関数⊿d(t)に分割する。また大地震の断層面を小領域⊿∑に分割する。このとき断層面∑のフーリエスペクトルは、各小領域⊿∑でのフーリエスペクトルの和であらわされる。

半経験的地震動評価法の基礎式
すべての小領域⊿∑における小地震の観測記録は当然ないため、断層パラメータが分割した小領域の破壊と一致するような小地震を用いて、各小領域のスペクトルを近似的に与えることを考える。考えている小領域の大きさに対して十分に遠方の観測点では、幾何減衰やラディエーションパターンの効果が小領域の内部でほぼ一定となる。観測点でも同様。
単純な断層モデルに基づいて遠方における大地震と小地震の地震動間に成り立つ近似的な関係を導いた。現実の伝播経路はここまで単純ではないが、どんなに複雑だとしても小地震と大地震でほぼ共通であるとしたら、両者の地震間の関係は大まかには断層運動の関係のみで決定されることになる。

断層パラメータの相似則と重ね合わせ数
大地震の地震動を評価するためには重ね合わせ数nL、nW、nDを与える必要がある。一般に小地震の断層パラメータは明らかにされていないことが多いためこれを困難にしている。実地震の断層パラメータ間に成り立つ平均的な関係をもとにして重ね合わせ数が仮定される。
地震モーメント Mo = μ*D0*A
地震モーメントと断層面積の関係 Mo~A^(3/2)
平均的な矩形断層の形 L = 2W
以上から Mo~ L^3 Do ~ L
地震発生前後における断層面上のせん断応力の差⊿σは応力降下量といわれるが、これは食い違い理論から ⊿σ = (const.)μ*D0/√A
上式DoとAの関係を代入すると応力降下量は地震規模に関係ないことがわかる。このように地震発生位置をある程度限ってみると断層パラメータの値には平均的には一定の比例関係にあり、⊿σも地震規模にはよらず一定の値をとることがわかる。
つまり大地震と小地震の断層パラメータ間に相似則を仮定すると
L/⊿L = W/⊿W = D0/⊿D0 = nL = nW = nD = n
nは地震モーメントの比から
n = (Mo(大)/Mo(小))^(1/3)
となる。

地震動評価式のバリエーション

一様な断層破壊に基づく評価式と課題
前節までの方法は一様な断層破壊に基づくという点で、基本的にハスケルモデルと同様に長周期地震動はよく表現できるが、次節に述べるように短周期地震動を過小評価するという性質をもっている。

小地震の重ね合わせ方のバリエーション

【まとめ 地震動】理論地震動評価4

遠方場の理論地震動
震源スペクトル、有限震源における破壊伝搬効果、コーナー周波数

遠方場の変位スペクトルと震源スペクトル
震源スペクトルでωを0に近づけたときの値が地震モーメントに一致する。

破壊伝搬する有限震源による遠方のS波
点震源でなく、有限な広がりを持つ断層面上の一点で起こった破壊が断層面上を伝搬することを考える。
断層の大きさに比して十分に遠方の観測地点における地震波はどのようになるだろうか?

ユニラテラル破壊伝搬する有限長線震源による遠方でのS波の変位波形
断層幅Wが断層長さLに対して十分に小さい線震源における変位波形を考える。震源時間関数として、ランプ関数を用いると、変位波形は台形状のパルスとなる。破壊伝搬速度をS波、P波速度でそれぞれ除した値が大きいほど、ディレクティビティが顕著にみられる。

ユニラテラル破壊伝搬する有限長線震源による遠方でのS波の変位スペクトル
コーナー各周波数は破壊伝搬方向と観測点の方向とのなす角によって変化し、破壊伝搬方向にある観測点の方がコーナー周波数は大きくなる。つまり高周波数成分が増える。破壊継続時間と立ち上がり時間に関係するコーナー周波数で、震源スペクトルの包絡形は制御される。最初のコーナー周波数までの低周波数領域では点震源近似が成り立つが、それより大きい高周波領域では破壊伝搬に関する震源内部の不均質性の程度が観測点でのスペクトルに大きく影響する。平均的な破壊伝搬速度は震源規模によらないが、規模の大きい地震ほど破壊伝搬時間は長くなり、コーナー角周波数も低周波側に移動する。よって大きい地震ほど、震源内部の不均質性の影響が低周波から現れやすい。

ユニラテラル破壊伝搬する矩形断層による遠方でのS波の変位スペクトル
ハスケルモデルを考える。立ち上がり時間、断層長さL、断層幅Wに関係したコーナー周波数が得られる。しかし、実際の地震記録の高周波数成分はω3乗モデルでは過小評価であり、ω2乗モデルあるいはそれに近い場合が多い。矩形モデルに不均質な破壊過程を考慮したモデルは合理的なモデルの一つと考えられる。逆にハスケルモデルのような巨視的断層モデルでは、地震記録から求められた震源スペクトルのコーナー周波数よりも高周波数成分をシミュレートすることは困難である。震源スペクトルのスケーリング則。

巨視的断層モデルによる理論地震動の適用性

【まとめ 地震動】理論地震動評価

三次元の均質等方な全無限弾性体における理論地震動
地球を三次元の均質等方線形な全無限弾性体と仮定し、ディスロケーションモデルによって全無限弾性体中の任意の点に生じる動的変位応答すなわち理論地震動を求める式を誘導する。この仮定はかなり大胆だが、このような単純な仮定のもとにおいてはグリーン関数は解析的に簡単な形で求められているために、理論地震動の基本的な特性を理解しやすい。また観測波形の実体波の初めの部分はこれでもよく説明できることが1960年代に示されたことにより、地震学の発展に大きく貢献したという歴史的経緯がある。

せん断食い違い型点震源による理論地震動
断層面積Aの断層面上の各点で同時に同一の食い違いが起こる、すなわち震源時間関数が断層面上の各点において同一で、断層運動を点ξに集約させた点震源を考える。三次元の均質等方線形な全無限弾性体におけるグリーン関数は得られている。これを前章で求めたせん断食い違い型点震源の変位場の式に代入し、解を求める。のとき変位場の式は、近地項、S、P波中間項、S、P波遠地項の5つに分かれ、それぞれにラディエーションパターンが得られる。震源地震関数として傾斜関数(ramp function)を考える。遠地では傾斜関数の時間微分であるボックス関数の形をした短形パルスが得られる。

周波数領域における理論地震動
変位場の式をフーリエ変換し、P、S波項に分離しそれぞれを遠地項、近地項、中間項に分ける。波の波長に対して観測地点までの距離が数倍以下ならば近地項が卓越する。したがって、この条件を満たすωが小さな低周波数(長周期)領域、震源距離が小さな震源近傍では近地項が卓越する。遠地項ではωの大きな高周波数(短周期)領域、震源距離が大きな観測地点では遠地項が卓越する。強震動の研究において遠地S波項のみが考慮されるのはこの理由である。

理論地震動の振幅の方位特性(ラディエーションパターン)

ハスケルモデル
矩形断層の1辺で生じた相対変位が断層の長さ方向に一定の破壊伝搬速度で伝搬するものである。この破壊伝播様式はユニラテラル破壊伝播と呼ばれる。断層パラメータは静的なもの(断層長さL、断層幅W、最終相対変位D)と動的なもの(立ち上がり時間、破壊伝搬速度)の5つになる。


【書きかけ】不確定性の分類

不確定性の分類方法については昔から様々な提案がなされてきた。ある一つの構造について(原子力発電所、表層地盤のモデル化等)、まず不確定な事柄をピックアップする。その一つ一つの不確定性がどのような性質であるかを分類分けし、対処する。

【書きかけ】なぜ構造信頼性が必要なのか?

 現実世界には多くの不確定性が存在する。その中には特定はできていても不確定さが残るもの、情報量や新しいモデルが提案されることで不確定さが低減されるもの、その存在が特定すらされていないものなど様々なのもがある。
 このような不確定性に対して、理学の分野では認識・低減していく態度がある。一方工学の分野では、このような不確定性を認識したうえで、それを低減しようとするよりは不確定性を定量的に把握し対処していくことが重要である。なぜなら工学の分野では、わからないことがあるからと言って立ち止まることは許されず、今この瞬間にも工業製品は製造され意思決定は行われているからである。
 工学はこのような要請にあっても不確定性を無視することは可能であろう。このことによってどのようなことが起こるだろうか。
 

【まとめ 地震動】理論的地震動評価 2

表現定理
・2階の偏微分方程式(変数変換によって常微分方程式に変換する、変数分離法。積分方程式に直す、グリーン関数を用いた解法)

任意の面に働く表面力(T=nσ
境界問題の種類
べッティの相反定理
グリーン関数
線形弾性体の動的変位場の表現定理


運動学的断層モデルによる理論地震動
運動学的断層モデル
1.弾性体内部に切れ目をいれ、新たなる内部境界面Σを作る。このとき内部断層面はΣ+と∑-をもつ。
2.境界面Σを境にしてその両側をお互いに同時に境界面Σに並行かつ逆方向に滑らせて変異の不連続を与える。この変異の不連続を相対変位、ずれ、滑りという。
3.変位の不連続を与えた状態のまま境界面Σを密着させる。このとき境界面上での表面力は連続となるが、変位の不連続によって境界面Σ付近がゆがんだ状態となる。この状態をせん断食い違いという。

2で変位の不連続の時間変化や、破壊伝播様式といった運動学的パラメータを先験的に境界条件として与える。

運動学的断層モデルによる弾性体の動的変位場(断層面に相当する境界Σより外側の領域Vに対して表現定理を適応する。前節で求めた相対変位の式と表面力の連続条件、物体力が作用しないことを用いると変位場の式が得られる。)

断層面上の相対変位と物体力との等価性(デルタ関数の空間微分は、大きさが等しく互いに反対方向に作用するシングル力の組み合わせを意味する。三次元問題の場合にはカップルの種類は9個になり、力の方向とカップルの腕の方向が一致するダイポールと、異なるダブルカップルがある。

モーメント密度テンソルを用いた理論地震動の表示式(モーメント密度テンソルを用いると、断層面上の相対変位による観測点での変位は、断層面上の各点ξに分布するカップルの組み合わせをそれぞれのカップルの大きさを表すモーメント密度テンソルで重みづけして、断層面上で積分した結果として得られることがわかる。断層面上の相対変位が、断層面と平行なせん断食い違いの場合、断層面ベクトルと同じ方向の食い違いの場合、等方膨張の場合のモーメントテンソルの具体的表現を示せ。食い違いを時間の関数として与える。)

地震モーメント(各断層面上の点でモーメント密度テンソルを与えたが、より簡単に地震の全体像を把握するためには点震源としての表現式が有効であり、これは断層面上で地震モーメントテンソルを積分することによって得られる。これをモーメントテンソルという。)

今後の予定

9月 AIJ大会@広島に参加
10月 日本建築学会構造系論文集に掲載予定
10月 WCEEに参加
2月 修士論文提出

【情報管理】

ブログに思いついたことをまとめるという作業をしてきた。
いまgoogle notebookが気になる。
完全移行の可能性も考えられる。

【地震動、目次】理論的地震動

弾性体の運動方程式と波動方程式
・連続体の運動方程式(微小な立方体の釣り合い式を解いて得られる)
・微小歪の定義と構成方程式(ひずみの定義は幾何学、構成方程式は経験式。運動方程式の未知数は応力が6つ(9つだが対称性を利用して)、変位が3つ。構成方程式は応力とひずみの間の9つの式となる。)
・変位で表現された線形弾性体の運動方程式(以上で得られた内容から運動方程式を作成)
・スカラーの勾配、ベクトルの回転、発散
・等方線形弾性体の運動方程式(弾性定数、ナビエの方程式の成分表示とベクトル表示)
・P波及びS波の波動方程式(ヘルムホルツの定理を用いてナビエ方程式を解く)
・実体波とナビエの方程式

【まとめ、地震動】理論的地震動評価

地震動 ―その合成と波形処理― より

断層モデルの理論的評価法は2つ
・破壊力学に基づく 動力学的モデル(dynamic model)あるいは応力緩和モデル(stress relaxation model)
・転移論を連続体に拡張した運動学的モデル(kinetic model)あるいはdislocation model。

実際の断層運動はずれの量やその方向は断層面内で均一でないことから、もっと複雑。
短周期成分は破壊過程と密接に関係するが、断層破壊に要する時間よりも長い周期領域では複雑な破壊過程は影響しない。長周期領域を対象として断層パラメータを設定し、平均的な破壊過程をモデル化したものを巨視的断層モデルという。

波動伝播性状の理論的モデル化
媒質モデルの過程→単位の力を加えたときの任意点での応答(グリーン関数を解く)

媒質の種類
全無限一様媒質、半無限一様媒質、半無限成層媒質

実体波、表面波

【地震、活動域】今興味あること

リンク法、地震クラスター、デクラスタリング
中尾の卒論になるのだが、自分でも少し研究してみたい分野

D面接試験と修士論文

もうすぐDの面接試験があるため、簡単な対策を始めようかと思っている。
・構造系に所属する上で必要最低限の知識の確認
・自分の所属分野の位置づけ(構造信頼性の授業や参考文献をまとめる)
・修論について(どうまとめていくか、問題点)

聞かれそうなことに回答を軽く用意しておく必要もある。

【娯楽】google sky

http://www.google.com/sky/

【地図・作画】mandara

http://www5c.biglobe.ne.jp/~mandara/

【地盤】DYNEQのプログラム説明

http://lion.zero.ad.jp/~zaq05074/work/suchi/dyneq.html

【プログラム・地盤】DYNEQのプログラム

http://boh0709.ld.infoseek.co.jp/index.html

【論文】AAASの論文 abustractの邦訳

リコーのサービス

http://www.ricoh.co.jp/abs_club/index.html

【便利】google ではなかなか検索できない領域

http://google-mania.net/archives/427

【統計】ETAS 尾形さん

地震発生に関するモデル

http://www.ism.ac.jp/~ogata/Oyosuri/oyosuri-rv.html

【地震動】強震動の基礎についてのセミナ―

かなり分かりやすい。
早く次が更新されてほしい。

http://www.civil-eye.com/webseminar/kagawa/contents.php#01

点過程(point process)とは

【引用】
なんらかの(確率的なばらつきを含んだ)規則にしたがって 点が配置されているとき,この規則を点過程と呼びます.

http://takenaka-akio.cool.ne.jp/etc/pair_cor/index.html