限界耐力設計法のすすめ2

第2章 現行設計とここが違う

設計荷重は設計者のみの判断や施主の希望では変えられない

構造計算の体系
①設計荷重・外力の決定と構造物のモデル化
②設計荷重によって構造物に生じる応力や変形などの荷重効果の算定
③構造物の強度・変形能力などの外乱に抵抗できる能力の算定
④応力や変形などの目標値・評価基準などの設定
⑤④の目標に基づく、②の作用効果と③の能力の比較

構造計算のいろいろ
①決定論的、確率論的
②許容応力度設計、限界状態設計
③静的設計法、動的設計法
④弾性設計法、弾塑性設計法

現行方法との違い
①目標を「ある確率で限界状態を超えないこと」としているため、安全性が明確
②建築基準法(保有水平耐力以外)は終局耐力の考え方が表立っていないため、建築物群の終局耐力のばらつきが大きい。それに対して限界状態設計法は終局耐力を目標として、設計するためばらつきを小さく設定できる。
③確率的な検討が、安全率に凝縮される

現行法とのキャリブレーション
①平均値を同じにするか→限界状態設計法では品質の低い建築物が減る
②ある最低基準を下回る建築物の数を同じにするか→平均値が下がり、経済的。災害の大規模化を考えるとばらつきが大きいほうがいいか?